29業種の「選び方」で損をする?知らないと怖い一式工事の罠
この記事のひとこと
建設業許可の業種選びは、「今の売上」「元請が求める業種」「5年後の会社の形」の三つから考えます。
元請から許可を求められたものの、どの業種を取るか迷っていませんか。
取りやすそうな業種を先に決めず、実際の工事と今後の受注を並べて考えます。
許可は業種ごとです。申請前に、契約書や見積書の工事内容を確認しましょう。

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5年後は事業計画を考えるための目安です。法令で定められた許可要件の年数を意味しません。
目次
Table of Contents
1 29業種は、一式二つと専門工事27
建設業の許可は、土木一式工事と建築一式工事の二つの一式工事、それ以外の27の専門工事に分かれています。大工、左官、屋根、電気、管、内装仕上、解体など、それぞれの工事内容に合わせて許可を受ける仕組みです。
「一式」を取ると専門工事もまとめて請けられる、と考えないでください。一式は原則として元請の立場で、総合的な企画・指導・調整を行う工事です。建築一式の許可だけで、税込500万円以上の内装工事だけを単独で受注することはできません。
建築一式そのものについては、税込1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事が、軽微な工事の基準です。専門工事に建築一式の基準をそのまま使うことはできません。
一式の許可でできることと、専門工事を単独で受ける場合の違いは、建築一式工事の解説にまとめています。この記事では、その違いを踏まえて、取得する業種をどう決めるかを考えます。
2 建設業許可の業種選びは、売上・元請の要望・将来像から
一つ目は、今の主力工事です。過去の契約書や請求書を、工事の内容ごとに分けます。売上の多い工事、金額が大きくなりそうな工事、今後も続けたい工事を整理してください。売上の名称だけでなく、実際に何を施工したかが大切です。
金額を見るときは税込です。注文者から材料が支給される場合も、材料の価格などを加えた額で判断します。請負代金だけでは基準未満でも、支給材料を含めると許可が必要な規模になることがあります。計算方法は500万円の数え方も確認してください。
二つ目は、元請が求める業種です。「建設業許可を取ってほしい」という言葉だけで決めず、どの工事を、いつから発注する予定かを確かめます。元請が示した業種名と、実際に頼まれる工事内容が合っているかも見ます。
法令上の許可が要らない規模でも、取引条件として許可を求められる場合があります。この場合は、法律上の必要性と取引上の条件を分けて整理します。許可を取れば受注や単価が上がると決まるわけではありませんが、相手が何を条件にしているかは確認できます。
三つ目は、将来の会社の形です。専門工事を中心に続けるのか、元請として建物全体を扱いたいのかを考えます。将来必要になりそうな業種について、資格者をどう育てるか、経験を示す書類をどう残すかも合わせて準備します。
希望する業種を並べたら、今すぐ申請するものと、今後追加するものを分けます。多く取ること自体を目的にせず、実際の仕事と、要件を満たす人の組み合わせを確認してください。
3 境界線で迷ったら、工事名より中身を見る
例えば、テナントの「全面改修」という工事名だけでは、建築一式か内装仕上かは決められません。壁や床の仕上げが中心なのか、建物全体を総合して建設する工事なのかを、内訳や図面から確認します。請負額が大きいことだけでも決まりません。
同じ現場で工種がいくつもある場合も、まとめて一業種にする前に整理が必要です。工事の目的、施工する部分、契約の範囲を説明できるようにします。「リフォーム一式」とだけ書かれた請求書は、後から内容を確認しにくいため、内訳も保存してください。
別業種の工事でも、主たる工事を施工するため、またはその施工の結果として必要になる「従たる工事」であれば、附帯工事に当たる場合があります。しかし、同じ見積書に入っているだけで附帯になるわけではありません。
附帯工事に当たるか、施工する人や下請先をどう用意するかは、附帯工事の解説で確認できます。独立した目的を持つ専門工事まで、附帯という名前で扱わないようにしましょう。
4 業種を決めたら、人と証明資料を確かめる
業種の希望が決まっても、その業種の営業所技術者等になれる人が必要です。資格で確認する場合は、資格の正式名称と対象業種を照らし合わせます。一つの資格で複数業種に対応する場合もあれば、名称が似ていても対象が違う場合もあります。
実務経験による場合は、どの工事を、いつ、どの会社で経験したかを整理します。建設業で働いた総年数だけでは決まりません。複数業種の経験を使う場合は、国の認定や緩和の対象になるかも含めて個別に確認します。
残っている契約書や請求書を年ごと・工事ごとに分けておくと、経験の確認が進めやすくなります。必要な資料の考え方は、10年の実務経験を証明する記事をご覧ください。
私は今の売上を示す書類と、これから受けたい工事の内容を並べて確認します。元請から言われた業種と、証明できる経験が合っているかを整理してから、申請の組み合わせを考えます。
まとめ
- 業種は、今の売上・元請の要望・将来像から選びます。
- 一式の許可と、単独の専門工事の許可は分けて考えます。
- 希望する業種について、技術者と証明資料を先に確認します。
分からないことがあれば、聞いてくださいね
国際行政書士斉藤事務所
行政書士 斉藤 実
請求書を見れば、どの業種で実績が積めているかを確認できます。元請から言われた業種と合っているかも、一緒に確かめます。
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