国際行政書士斉藤事務所
2026/04/16

【分かりやすく解説】建築工事業(建築一式工事)とは?よくある誤解と許可取得のポイント

建設業許可の新規取得や業種の追加をご検討される中で、「建築工事業(建築一式工事)」という言葉をよく耳にされることと思います。 「一式という名前だから、これさえ取れば内装、電気、水道といった各専門工事(スポットの工事)も何でもできるようになるのでは?」とお考えになる方もいらっしゃいますが、実はそこには実務上の大切な注意点が隠れています。

本記事では、建築一式工事の正しい内容や、取得する際のポイントについて、専門用語をできるだけ避けて分かりやすく解説いたします。

建築工事業(建築一式工事)とはどんな工事?

建築一式工事は、法律上「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事」と定義されています。少し難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば**「複数の専門工事業者をまとめて、一つの建物をゼロから造り上げるような大規模な工事」**のことです。

具体的な工事の例

  • 一戸建て住宅やマンションの新築工事
  • 建物の大規模な増改築(リフォーム)工事
  • テナントビルをスケルトン状態から総合的に仕上げる工事

このように、大工、左官、屋根、管工事、電気工事など、さまざまな専門工事を組み合わせて、「元請け」として現場全体を指揮・管理する立場を指します。現場をマネジメントすることが主な役割であり、逆に言えば、役割はそこに限定され、各専門工事の実際の施工内容にまで直接入り込むものではありません。

最大の誤解:「建築一式」があれば何でもできる?

私たちが日々ご相談をお受けする中で、一番多く寄せられるのが「建築一式の許可を取ったから、これからは500万円以上の内装工事や屋根工事も単独で請け負えるよね?」というご質問です。

実は、これは大変注意が必要な誤解なのです。前述の通り、建築一式工事の許可は、あくまで「総合的なまとめ役」としての許可です。そのため、建築一式の許可だけを持っていても、500万円以上(消費税込)の「内装工事のみ」や「屋根工事のみ」といった専門工事を単独で請け負うことはできない、という点は非常に重要なポイントです。

もし500万円以上の専門工事を単独で受注したい場合は、一式工事とは別に、それぞれの専門業種(内装仕上工事業など)の許可を取得する必要があります。

許可を取るための「専任技術者」要件と、実務経験証明の難しさ

建築一式工事の許可を取得するためには、営業所ごとに「専任技術者」という技術のプロフェッショナルを常勤で配置する必要があります。一般建設業許可において、建築一式工事の専任技術者になるためには、主に以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  1. 国家資格を持っている 1級・2級建築施工管理技士(2級は「建築」に限る)、1級・2級建築士など
  2. 学歴+実務経験 建築学や都市工学などの指定学科を卒業した後、一定期間(大卒で3年、高卒で5年など)の実務経験がある
  3. 10年以上の実務経験 学歴や資格がない場合でも、建築一式工事に関する「10年以上の実務経験」を客観的な書類(契約書や請求書など)で証明する

【要注意】「10年の実務経験」による証明はハードルが高い ここで一つお伝えしておきたいのが、資格等を持たず「10年の実務経験」で専任技術者を登録しようとする場合、建築一式工事に関してはその証明が非常に難しいという側面があることです。

「複数の専門工事をマネジメントして一つの建物を造り上げた」という一式工事ならではの経験を書類で客観的に証明するハードルは、他の専門工事に比べて高くなる傾向にあります。詳細な条件が関わってくるため、今回は「証明が難しいケースが多い」という点に留めておきますが、実務経験での取得を目指す場合は事前の慎重な確認が欠かせません。

おわりに:自社に最適な業種選びは専門家にご相談ください

いかがでしたでしょうか。一式工事の許可があれば何でもできるというわけではなく、専門工事を単独で行う場合にはそれぞれの専門業種の許可が必要になります。この違いを正しく理解しておくことが、適切な許可取得への第一歩となります。

「現在の自社の仕事内容なら、本当に建築一式が必要なのか?」 「将来の事業展開を考えると、どの専門工事を組み合わせて取るのが一番有利なのか?」

建設業の業種選びは、会社の将来の売上を左右する大切な経営戦略です。もし、業種選びや要件の確認でお悩みでしたら、ぜひ当事務所にご相談ください。

私たちは、社長の日々の努力に敬意を払い、事業の発展を一番近くで支える「伴走者」として、貴社にとって最適な許可取得の道筋を丁寧にご提案いたします。まずはお気軽に、お問い合わせフォームから、ご不安な点をお聞かせください。ご連絡を心よりお待ちしております。