国際行政書士斉藤事務所
2026/05/26

【建設業許可】最大のハードル「10年間の実務経験」を証明するには?ポイントと落とし穴を行政書士が解説

建設業許可の取得を目指す際、多くの事業者様が直面する大きなハードルのひとつが、「営業所技術者等」の要件です。

資格をお持ちの役員様・従業員様がいれば比較的スムーズに進められる場合がありますが、資格がない場合は、原則として「10年間の実務経験」を証明しなければなりません。

しかし、この10年証明は、単に「10年間、現場で働いていました」と申告するだけでは認められません。実際にその業種の工事に従事していたこと、そしてその期間に常勤として在籍していたことを、客観的な資料で積み上げて証明する必要があります。

本記事では、建設業許可における10年間の実務経験証明について、求められる資料、よくある落とし穴、資料が不足している場合の考え方をわかりやすく解説します。

この記事で分かること

    • 10年間の実務経験で建設業許可を取るために必要な証明資料

    • 工事実績と常勤性をどのように証明するか

    • 実務経験証明でつまずきやすいポイント

    • 資料が不足している場合の考え方

実務経験を証明する「2つの柱」

10年間の実務経験として認められるためには、大きく分けて次の2つの事実を証明する必要があります。

ひとつは、許可を受けたい業種の工事を実際に行っていたこと。もうひとつは、その期間に会社や個人事業主のもとで常勤として在籍していたことです。

どちらか一方だけでは足りません。工事実績と常勤性の両方を、客観的な資料で確認できる状態にしておくことが重要です。

1. 工事実績の証明|その工事を本当に行っていたか

まず必要になるのが、許可を受けたい業種の工事を実際に行っていたことの証明です。

代表的な資料としては、工事請負契約書、注文書、請求書、発注書などがあります。

契約書や注文書が残っていれば有力な資料になりますが、実務上は、昔の書類がすべて残っていないケースも少なくありません。

ただし、請求書だけで十分かどうかは都道府県によって異なります。

専門家からのワンポイント

実務経験証明では、「その工事を行ったこと」が書類上はっきり分かることが重要です。請求書を使う場合は、工事名、工事内容、工事場所、請求先、請求日、金額などから、許可を取りたい業種との関係が読み取れるかを確認します。福岡県では、請求書だけで工事実績の確認資料として受け付けられます。ただし、請求書だけで十分かどうかは都道府県によって異なるため、申請先の運用を確認しておくことが大切です。

2. 常勤性の証明|その会社に在籍していたか

次に必要になるのが、実務経験を積んだ期間に、その会社や個人事業主のもとで常勤として在籍していたことの証明です。

実務上よく使われる資料のひとつが、年金事務所で取得できる「被保険者記録照会回答票」です。これにより、いつからいつまで勤務していたかを公的な記録で確認できます。

どの資料が使えるかは、法人なのか個人事業主なのか、役員なのか従業員なのか、現在も在籍しているのか過去の勤務先なのかによって変わります。

要注意!実務経験証明のよくある落とし穴

10年間の実務経験を証明する際には、次のような点でつまずくことがよくあります。

複数業種の同時取得では、経験期間を重複して使えない場合がある

たとえば「内装仕上工事」と「とび・土工工事」の2業種を実務経験で取得したい場合、同じ10年間を両方の業種に使い回すことは原則としてできません。業種ごとに別々の経験期間が必要になる場合があります。

無資格で施工していた期間を使えない場合がある

電気工事や消防施設工事など、法令上、資格が必要とされる工事については、無資格で施工していた期間を実務経験に算入できない場合があります。解体工事業についても、建設リサイクル法施行後は、適法な許可業者または登録業者での経験であるかが問題になります。

工事内容があいまいな資料では認められにくい場合がある

「工事一式」「改修工事」などの記載だけでは、具体的にどの業種の工事なのか判断しにくい場合があります。許可を受けたい業種との関係が分かる資料を準備することが重要です。

過去の勤務先から証明をもらえない場合がある

過去の勤務先が廃業している、連絡が取れない、証明書に押印してもらえないといった場合でも、他の客観資料を組み合わせて証明できる余地が残されていることがあります。

許可取得にお悩みなら、専門家へご相談ください

10年間の実務経験証明では、「昔の勤務先が廃業している」「契約書が残っていない」「証明者の押印がもらえない」といったご相談が少なくありません。

このような場合でも、その他の方法で証明できる余地が残されている場合があります。

ただし、例外的な立証は難易度が高く、行政窓口との事前相談や、資料の組み立て方が重要になります。自己判断で進めると、必要な資料が不足していたり、希望する業種の実務経験として認められなかったりする可能性があります。

このようなお悩みはありませんか?

    • うちは10年証明できるのか知りたい

    • どの資料を集めればいいのか分からない

    • 資格がなくても建設業許可を取れる可能性があるのか確認したい

    • 請求書や注文書だけで証明できるか不安

    • 昔の勤務先から証明をもらえず困っている

当事務所では、福岡県内の建設業許可申請について、要件確認、必要書類の整理、申請書類の作成、行政窓口との調整までサポートしています。

貴社の状況を丁寧にヒアリングし、建設業許可取得に向けた現実的なルートをご提案いたします。

福岡で建設業許可の取得を検討している方へ

10年間の実務経験で建設業許可を取得できるかどうかは、資料の残り方や工事内容によって判断が変わります。

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