国際行政書士斉藤事務所

建設業許可の要件を確認|福岡で人・財産・営業所と資料を整理

建設業許可では、人、財産、契約上の誠実性、欠格要件、社会保険などを確認します。
自社が要件に当てはまると思うだけでなく、その事実を申請書と確認資料で説明できることが必要です。
初めて検討する方は、経営を管理する人と技術者の候補、経験を示す資料の所在から整理しましょう。

許可要件を、担当する人と証明資料に結び付けて見る

一般建設業の許可では、経営業務の管理を適正に行える体制、営業所の技術者、誠実性、財産的基礎を確認し、欠格要件に該当しないことも求められます。社会保険の適切な加入と、建設業の営業所の実体も確認する必要があります。表は準備を整理するための入口です。

確認する内容何を整理するか資料の考え方
経営を管理する体制経験・地位・担当業務と現在の常勤性在籍と建設業の営業の実態をつなぐ
営業所の技術者業種に対応する資格や実務経験資格、工事内容、経験期間、勤務を確認
財産的基礎決算や資金調達能力申請区分に合う資料で説明
誠実性請負契約上の不正等のおそれ処分や契約上の事情を確認
欠格要件申請者や関係する人の該当事情対象者と期間を資料で整理
社会保険加入義務と加入状況事業形態と従業員の状況を確認
営業所契約を行う場所の実体と使用権限使用関係、区画、写真等を確認

特定の許可では、技術者や財産の基準が一般と異なります。この表だけで取得可能と判定せず、必要な許可区分と業種を決めたうえで、該当する確認へ進んでください。業種が変わると技術者に必要な資格や経験の確認も変わります。

出典:建設業法 第7条・第8条・第15条/国土交通省「許可の要件」。

経営を管理する人と技術者は、役割を分けて確認する

常勤役員等(旧:経営業務の管理責任者)の体制に関する要件は常勤役員等(個人は本人または支配人)が、①建設業の経営業務の管理責任者として5年以上、②権限委任を受けた準ずる地位で経営業務を管理した経験5年以上、③準ずる地位で経営業務の管理責任者を補佐した経験6年以上のいずれか。体制経路は、役員側が(ロ1)建設業の役員等2年以上、かつ建設業の役員等又は財務管理・労務管理・業務運営を担当する役員等に次ぐ職制上の地位で5年以上、又は(ロ2)役員等5年以上、かつ建設業の役員等2年以上を満たし、申請事業者で財務管理・労務管理・業務運営の建設業経験各5年以上を持つ直接補佐者をそれぞれ置く。補佐者は各業務を兼任できる。です。単に長く建設現場で働いたことと、建設業の経営業務を管理した経験は同じではありません。どの会社や個人事業で、どの地位にあり、何を管理したのかを整理します。

営業所技術者等(旧:専任技術者)の一般の要件は一般建設業は、①希望業種に対応する国家資格等、②指定学科を修めて卒業後の実務経験(大学・高専等は3年以上、高校等は5年以上。専修学校専門課程は5年以上、専門士・高度専門士を称する者は3年以上)、③希望業種の実務経験10年以上などの経路。資格ごとの追加経験、技士補等の認定経路、関連業種経験の緩和は条件別に確認する。です。資格がない場合でも経験等による経路がありますが、経験年数だけでなく、申請する業種の工事に関する経験を説明できるかが重要になります。現在の勤務の実態についても確認します。

会社の代表者が役割を兼ねられる場合があっても、すべての兼務が認められるわけではありません。他社での役職や勤務、別の営業所、現場への配置などが関係するため、候補者ごとに一覧にします。資格証だけを先に集めるより、在籍期間と仕事の内容も合わせて整理する方が見通しを立てやすくなります。

要件は、人・財産・営業体制をまとめて点検許可申請の準備を中央に置き、経営と技術者、財産、誠実性と欠格、保険、営業所を囲む配置で示す。許可の準備事実と資料経営の体制営業所の技術者財産誠実性欠格事由社会保険営業所の実体

出典:建設業法 第7条/国土交通省「許可の要件」経営管理・営業所技術者等。

財産・誠実性・欠格要件は、会社と関係者の事情から確認する

一般の財産的基礎は次のいずれか:①自己資本500万円以上 ②500万円以上の資金調達能力(残高証明等) ③直前5年間許可を受けて継続営業です。決算書の売上が大きいことと、財産の基準を満たすことは同じではありません。設立直後なのか、既に決算を迎えているのかによって、説明する資料の組合せを整理します。特定の許可を検討する場合は、別の基準を確認します。

誠実性では、請負契約に関して不正や不誠実な行為をするおそれが明らかな場合などが問題になります。欠格要件では、申請者本人だけでなく、法令上対象となる役員等の事情を確認します。過去の処分や刑罰、破産等について、言葉の印象だけで「取れない」「もう問題ない」と決めないようにしてください。

確認が必要な事情がある場合は、処分や裁判等の正式な資料と、いつ何が起きたかを整理します。事情を隠して申請書を作ることは避け、該当する規定と期間を確認します。個別の案件についての最終的な可否は、事実関係を見ずに断定できません。

出典:建設業法 第7条・第8条・第15条/福岡県の手引き・誠実性、財産的基礎、欠格要件。

社会保険と営業所は、申請書の入力欄だけで判断しない

社会保険の加入に関する要件は2020年10月1日以降、適用される健康保険・厚生年金保険・雇用保険について必要な届出を行っていることが建設業許可の要件。適用事業所・適用事業に該当しない制度は加入不要であり、単に未加入と一括して判断しない。です。加入していないという状況を見たときは、加入義務があるのか、適用除外に当たるのかを確認します。法人か個人か、実際に働く人がどのような立場かによって整理が変わるため、同業者の説明をそのまま当てはめないでください。

営業所についても、住所を置けることだけで要件を満たすとは限りません。契約に関する営業を行う場所としての実体、使用権限、独立性などを確認します。自宅兼用や賃貸物件では、生活部分との関係や契約上の用途を整理し、県の現在の写真の案内等と照合します。

社会保険の加入手続きそのものや、他の制度にまたがる判断が必要な場合は、担当する専門家や窓口と連携して確認します。建設業許可の書類を作るためだけに、実際の雇用関係や物件の使い方を別のものとして扱うことはできません。申請の前に実体の整理を行うことが重要です。

社内で点検するときは、要件の欄ごとに「事実は分かる」「資料がある」「内容を照合した」を分けて記録すると整理しやすくなります。例えば経験したこと自体は分かっていても、当時の契約や在籍の記録をまだ探している状態があります。どの段階で止まっているかが分かれば、先に相談する事項と自社で進める収集を分けられます。

資料が見つからない場合も、その場で要件を満たせないと決めるのではなく、何を証明する資料が不足しているかを明らかにします。一方で、資料を作り直せば事実が変わるわけではありません。実際の経験や勤務を確かめ、それを現行の確認方法で説明できるか、という順番で考えてください。

出典:建設業法 第7条、建設業法施行規則 第7条/福岡県の現行申請案内。

福岡の確認資料に沿って、足りない事実と資料を分ける

福岡で準備する場合は、県が示す申請書類と確認資料の一覧を確認します。必要な人がいるか、必要な経験があるか、そのことを示せる資料があるかを順に見ます。「要件は満たしているが、昔の資料が見つからない」という状況と、経験そのものが足りない状況では、次に確認することが違うためです。

資料が足りないときは、なぜその資料が必要なのかを先に整理します。例えば、在籍期間を示す資料だけでは、建設工事の内容まで分からない場合があります。反対に、工事の請求書があっても、候補者の地位や担当業務が分からないことがあります。資料を集める作業を、証明したい事実と結び付けて考えましょう。

準備の順番は、人の候補と過去の資料、社会保険、営業所というように、現在足りない事項に応じて決めます。前職の記録を探す必要がある経験と、自社にある記録で確認できる事項では、必要な作業が違います。財産に関する証明の取得時期など、申請時点との関係がある資料は、早く集めればよいと考えずに準備します。

要件の不足を整理する順番必要な要件を整理し、当てはまる事実と資料を照合して、相談事項を明らかにする。必要な業種と要件を整理事実と証明資料を照合不足と確認事項を分ける

出典:福岡県「建設業許可の手引き、申請書類などはこちら」申請書類・確認資料。点検順は本稿の編集上の提案です。

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相談時は、会社や個人事業の経歴、希望する業種、候補者の資格と在籍の状況、営業所の使い方を分かる範囲でお知らせください。最初から申請書を完成させる必要はありません。分かっていること、資料があること、確認が残っていることを分ける段階から進めます。

資格や経験について結論を出す前に、申請したい工事の範囲も確認します。予定する受注と要件の準備を別々に進めると、必要な業種や人員が途中で変わってしまうことがあります。許可が必要な仕事、会社の体制、証明資料を同じ地図の上で整理することが、取得の検討の出発点です。

出典:建設業法 第7条・第8条/福岡県の手引きの案内。相談項目と関連記事の選び方は本稿の編集上の案内です。