国際行政書士斉藤事務所

建設業許可の財産要件|福岡で自己資本・資金と決算を確認する

一般建設業の財産要件は、自己資本や資金調達能力など、該当する経路に応じて確認します。
特定建設業は一般と基準が異なり、必要な財産の項目をそろえて満たすことを確認します。
決算書の売上や資本金だけで判断せず、申請区分と資料の時点を合わせて整理しましょう。

一般の財産的基礎は、該当する経路を選んで確認する

一般建設業の財産的基礎は次のいずれか:①自己資本500万円以上 ②500万円以上の資金調達能力(残高証明等) ③直前5年間許可を受けて継続営業です。どの経路で説明するかによって、準備する決算関係の資料や資金に関する資料が変わります。全ての会社が同じ日に同じ証明書を取るという準備にはしません。

自己資本の基準を確認する場合、法人では貸借対照表の純資産合計を見ます。個人では、期首資本金、事業主借、事業主利益の合計から事業主貸を控除し、利益留保性の引当金や準備金を加える県の定義で整理します。売上高が大きいことや、仕事が続いていることは、それだけで財産要件を満たしているという説明にはなりません。帳簿のどこを確認するかが分からない場合は、会計担当者や税理士と、申請で確認する項目を共有します。

資金調達能力で確認する場合も、単に通帳に残高があると伝えるだけでは足りません。何の資料で、どの時点の事実を示すかを県の案内に合わせて確認します。継続して許可を受けている場合の経路については、現在の許可の履歴と、一般・特定等の申請区分を確かめてから検討してください。

一般の財産要件は、該当する経路を選ぶ自己資本、資金調達能力、許可を受けて継続営業した経路を並列に置き、申請区分に合う経路と資料を確かめる。申請区分と決算を確認自己資本決算の資料調達能力残高等の資料継続営業許可等の記録該当する経路の事実を確認その事実を示す資料をそろえる

出典:建設業法 第7条/国土交通省「許可の要件」財産的基礎/福岡県の手引き・財産的基礎。

資本金と自己資本は、同じものとして扱わない

資本金は会社の財産を考える際の項目ですが、自己資本と同じ数字とは限りません。利益や損失等の影響もあるため、登記に載っている資本金を見ただけで要件を判断しないようにします。直前の決算書で確認することと、登記で確認することを分けて整理してください。

設立したばかりで決算を迎えていない会社では、設立時の財務資料で自己資本等を確認します。個人事業で初回の決算を迎えていない場合とは、確認資料の扱いを分けます。設立時に資金を払い込んだ事実と、申請時に示す資料の内容をつなげて説明できるようにします。開始時の貸借対照表等を使う場合の扱いは、会社の設立状況と県の確認資料に沿って確かめます。

設立後に支出や借入れがある会社も、資本金が所定の額であることだけを理由に「財産の確認は終わった」としないようにしてください。どの時点の資料が必要なのか、会社の実際の状態をどのように反映するかを確認します。申請のために実態と異なる内容の決算資料を作ることはできません。

出典:建設業法 第7条/福岡県の手引き・財産的基礎と申請時の財務資料。設立後の初回決算前か、既に決算を迎えたかで資料を選びます。

特定は、必要な項目をまとめて点検する

特定建設業の財産要件は欠損の額が資本金の20%以下、流動比率75%以上、資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上を全て満たす。財務判断は既存事業者では原則直前決算、新規設立企業では創業時の財務諸表。特定許可申請日までの増資で資本金基準を満たす場合は、資本金額の基準を満たすものと扱う。です。必要な項目のどれかを満たせば足りる、という一般の経路と同じ読み方をしないでください。欠損、流動比率、資本金、自己資本という確認を、直前の決算等に基づいて整理します。

銀行の預金残高が多くても、他の項目の不足まで解消できるとは限りません。増資を考える場合も、資本金だけでなく自己資本や流動比率等へどのように影響するかを確認します。許可要件を調べる作業と、会社として資金をどう用意し使うかの判断は分ける必要があります。

一般から特定への切替えを急いでいる会社は、直前決算の内容と、次の決算の予定、技術者の準備、受注計画を同じ予定表にします。財産の項目を満たすために行う会計・税務や会社法上の手続きは、関係する専門家へ相談してください。行政書士が許可の確認項目を整理することと、税務処理の最終判断を行うことを混同しないようにします。

一般と特定の読み方の違い一般は該当する経路を検討し、特定は必要項目をまとめて満たすかを確認する。一般の確認経路を選ぶ必要な資料へ特定の確認各項目を点検全体の適合を見る

特定の欠損は、単年度に赤字だったかどうかだけで判定しません。法人では、負の繰越利益剰余金と資本剰余金・利益準備金等を県の計算方法で照合します。流動比率は流動資産と流動負債の比率です。利益が出ていても、返済等のため流動負債が多ければ、別の項目で不足する可能性があります。

残高に関する証明を準備する場合は、申請へ進める見込みと取得の時期を合わせます。経営経験の資料がまだ集まらず予定が動くのに、先に証明だけを取得すると、申請の時点で使えるか再確認が必要になります。取得する金融機関や口座名義、証明を求める日付などを、申請主体と予定に照らして整理しておきましょう。

出典:建設業法 第15条/国土交通省「許可の要件」特定建設業の財産的基礎。

残高を示す証明は、申請予定に合わせて取得時期を確認する

残高に関する証明を利用する場合は、発行日と残高の基準日を分けて見ます。窓口へ行った日だけを記録していても、その証明がいつの状態を示すかが分からなければ、申請資料との関係を確認しにくくなります。金融機関へ依頼する前に必要な内容を整理しましょう。

福岡県の確認資料一覧では、残高による証明は申請日前30日以内の日の残高を証明したものとされています。対象は証明書の発行日だけではなく、残高があると証明された基準日です。複数の金融機関等の残高を合算する場合は、証明の基準日をそろえる県の条件があります。別々の日の残高を足して基準に届いたとしても、そのまま説明には使えません。資料を早く取得するほど安心という考え方だけでは、申請時に取り直しが必要になることがあります。

資金の確認では、入金の予定や一時的な残高だけから結論を出さないことも大切です。会社の営業に使う運転資金、支払予定、借入れ等の状況を含め、説明できる事実と資料をそろえます。虚偽の残高や実体を伴わない処理を使って要件に合わせる方法は、案内しません。

出典:福岡県「許可申請書・確認資料一覧表」証明書の有効期限/同手引き・残高の同一基準日と合算。

決算と申請区分をそろえて、足りない資料から確認する

準備の際は、現在の許可、新規・更新・業種追加・般特新規等の区分、決算を迎えたかどうか、手元にある決算資料をまとめます。自己資本で説明する予定なのか、資金調達能力の資料が必要なのかを確かめてから、取得や作成を進めてください。

決算書がそろっていても、建設業向けの財務諸表への整理や、申請用の記載の確認が必要になることがあります。税務申告用の数字を、そのまま別の意味の項目へ移すことは避けます。分からない科目があれば、元になる会計資料と処理の内容を確認し、推測で分類しないようにしましょう。

財産要件の相談では、金額だけを抜き出したメモより、決算の時期と資料の状態が分かる情報が役立ちます。会社の資金繰りに関する資料を送る範囲は、確認に必要な内容を整理してから決めます。最初の連絡で口座の認証情報やパスワードを送る必要はありません。

資料の確認を依頼する際には、申請対象の事業の資料なのか、代表者個人の資料なのかも区別します。法人の財産と代表者の個人的な資金を、説明なく同じものとして取り扱わないようにしてください。借入れや資金移動に関係する事情がある場合は、どの取引をどの資料で示すかを整理し、関係する専門家へ確認します。

また、資料の作成や証明の発行を依頼する前に、申請日の見通しと他の要件の準備を確認しましょう。人の要件や営業所の確認が終わっていない段階で証明を取得すると、予定が変わった際に取り直しが生じることがあります。財産の資料だけを先に完成させるのではなく、申請全体の予定の中で取得時期を決めることが大切です。

残高証明の時期は福岡の建設業許可|残高を証明する日と取得のタイミング、赤字・債務超過や自己資本の課題は福岡の建設業許可|赤字・債務超過と財産要件を分けて考えるで詳しく説明します。LINEでは、申請区分、設立・決算の状況、どの資料があるかを分かる範囲でお知らせください。要件と資料を分けて整理するところから進めます。

出典:福岡県の現行申請案内/建設業法 第7条・第15条。準備の順番は本稿の編集上の案内です。