建設業許可、個人事業主のままで取る?会社をつくってから取る?【行政書士が解説】
この記事のひとこと
個人で取るか、会社で取るかは、今の準備と将来の事業の続け方を合わせて考えます。
建設業許可と法人成りを考える中で、個人事業を続けるか、会社をつくるか迷っている方へ。
建設業許可は、個人でも法人でも、必要な要件を満たせば申請を検討できます。
福岡県であとから法人成りする場合は、会社設立と許可の承継の順番を先に確認することが大切です。

図が画面に収まらない場合は、左右にスクロールできます。
選択の整理用の図です。融資や採用でどちらが有利か、税金がどちらで安くなるかは、この図だけでは判断できません。
目次
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1 個人でも会社でも、許可の要件は確認します
会社をつくらなければ建設業許可を受けられない、ということはありません。一人親方の方も、個人事業主として申請を検討できます。ただし、経営経験、営業所技術者等、財産的基礎などの必要な条件を確認することは同じです。
法人で申請する場合は、会社の常勤役員等の経歴や、会社に置く技術者、会社の財産を確認します。個人時代の経験を検討できる場合はありますが、会社を設立しただけで経験の不足がなくなるわけではありません。会社と個人の書類を混ぜないことが大切です。
資料の点では、法人は定款や登記事項証明書なども用います。個人には法人とは異なる申告書や財務諸表があります。単純な書類の枚数だけで選ぶより、どちらの申請者として、いつまでに条件をそろえられるかを考えましょう。福岡県の手引き・チェックリストで区分別の書類を確認できます。
まだ要件の全体を見ていない方は、先に5つの要件チェックリストをご覧ください。個人と法人の選択と、要件を満たしているかの確認を、同時に整理できます。
2 今の手続きだけでなく、事業の予定から比べます
個人のまま申請する場合は、現在の事業の形を前提に資料を整理できます。会社の設立準備を別に行わずに済むことは、手順を考えるうえでの利点です。今後も同じ形で仕事を続ける予定なら、その前提で検討してよいと思います。
会社にする場合は、許可の準備に加えて、設立の手順や費用を確認します。費用は「会社を設立するための実費」「専門家へ依頼する報酬」「建設業許可の費用」に分けて見積もると、重複や見落としを減らせます。設立費用の一律の総額だけで決めないようにしてください。
税金がどちらで有利かは、売上だけで決まるものではありません。役員報酬、利益、家族の状況などを含めて、税理士に確認する内容です。私は税務の損得の計算や申告を代わりに行いません。社会保険の個別の加入判断・手続きは社会保険労務士、設立登記は司法書士に確認する内容です。
また、法人にすれば融資や採用が有利になる、という結果を一律に約束することもできません。元請が法人との取引を条件にしているなら、その条件を直接確認しましょう。「会社のほうがよさそう」という印象を、具体的な取引条件や事業計画に置き換えて考えます。
相談前には、今の取引先から求められていること、雇用の予定、会社にしたい時期、家族への引き継ぎの考えをメモしてみてください。全項目が決まっていなくても、優先したい点が分かれば、手続きの順番を整理できます。
3 建設業許可と法人成りをつなぐ承継の準備
個人で許可を受けた後に、会社をつくる選択もあります。ただし、許可通知書の名前を書き換えるだけでは済みません。個人と法人は別の申請主体です。建設業の全部を譲渡する場合などには、事前に認可を受けて建設業者の地位を承継する制度があります。
福岡県の承継の手引きでは、法人成りの譲渡先となる法人は設立後に申請すること、事業承継等の効力発生日の2か月前までに申請することなどが案内されています。法人設立、認可申請、承継日の順番を逆算する必要があります。承継の手引き(令和7年3月版)が確認先です。
承継する会社でも、許可要件を満たす体制が必要です。経管や技術者がどの時点で会社に移るか、社会保険をどう整えるかなどを、認可の担当窓口や関係する専門家と合わせて確認します。個人側の体制を先に失わせないよう、自己判断で移籍日を決めないでください。
近いうちに法人化する予定が固まっているなら、会社設立後の申請と、個人で申請して後から承継する手順を並べて比べるのがよいと思います。私は許可側で必要になる資料と時期を整理し、登記や税務について確認する部分を書き分けます。
4 万一のときに、事業をどう続けるかも考えます
個人事業主が亡くなり、相続人がその建設業の全部を続けようとするときは、相続の認可制度を検討します。福岡県の手引きでは、死亡後30日以内で、かつ従前の許可の有効期間内に認可申請が必要とされています。30日以内に認可そのものを完了させる、という意味ではありません。
相続人が申請すれば条件の確認がなくなるわけではありません。死亡の時から経管・技術者などの適正な体制を確保できるかも重要です。家族に許可の控えと担当者が分かるようにしておき、誰が事業を続けるかを元気なうちに考えておくと、備えになります。
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相続は申請期限と体制の両方が大切です。法人も、代表者が経管を兼ねていた場合などは後任を含む体制確認が必要です。
法人の場合、許可の主体は代表者個人ではなく会社です。代表者が交代しても会社は続きますが、役員等の変更届や許可要件の確認は必要です。亡くなった代表者が経管や技術者を兼ねていた場合は、その役割の後任を含めて考えます。「会社なら何もしなくてよい」という違いではありません。
個人か法人かは、設立費用だけで決める話ではありません。今の要件、会社にする予定、事業の引き継ぎ方を並べて、ご自身が続けやすい形を選びましょう。申請の費用と流れは、福岡の建設業許可 料金表で確認できます。
まとめ
- 個人でも法人でも、申請者に応じた許可要件を確認します。
- あとから法人成りするなら、設立と承継の順番を先に計画します。
- 費用に加え、取引条件と将来の事業の続け方から選びます。
分からないことがあれば、聞いてくださいね
国際行政書士斉藤事務所
行政書士 斉藤 実
これからの目標や会社にしたい時期を教えてください。どちらの形が合うかを、許可の準備から一緒に整理します。登記は司法書士、税金の損得は税理士に確認する内容です。
お電話:092-600-2748(出られない場合は折り返します)
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確認日:2026年10月18日。制度の説明は、次の公的資料を参照して確認しました。
福岡県以外の方は、管轄の都道府県の手引きで確認が必要です。
主な確認資料
- 福岡県 建設業許可の承継の手引き(令和7年3月版)
- 福岡県 建設業許可申請等の手引き・改訂案内(令和5年度発行版、2026年4月14日までの掲載改訂)
- 国土交通省 許可の要件
- 福岡県 建設業許可のあらまし(手引きP1・P13〜19)
個別の事情やその後の改正により、必要な手続き・書類が変わる場合があります。