福岡の太陽光・造成工事と開発許可|着工前の確認を分ける
こんな方へ:太陽光や造成工事の着工前に、許認可を整理したい方
太陽光や造成工事は、都市計画法の開発許可だけを確認して着工できるとは限りません。
設備が建築物か、土地の形をどう変えるか、農地・森林・盛土の規制を別々に確認します。
施工を請ける側も、着工の前提となる許可と計画の一致を確かめましょう。

開発行為に当たるかを、工事名ではなく目的から確認する
都市計画法上の開発行為は、主として建築物の建築や特定工作物の建設のために行う土地の区画形質の変更を指します。土を動かす工事がすべて同じ意味の開発行為になるわけではありません。造成の目的、設置する設備や付属建物、現況と計画の地盤を確認します。
開発許可の対象規模は、市街化区域、市街化調整区域、区域区分のない区域、都市計画区域等の外などで扱いが異なります。自治体の条例等も関係するため、全国共通の面積を一つだけ当てはめないようにします。県の規制対象規模の案内と、所在地を所管する行政庁の現行基準に照らして判断します。
出典:都市計画法 第4条・第29条・第34条/福岡県「開発許可制度 よくある質問」開発行為・規制対象規模・農地転用との関係。
太陽光設備では、開発許可が不要となる条件も確認する
福岡県のFAQは、太陽光設備と付属施設が建築基準法の建築物ではない場合等について、開発許可を不要とする考え方を示しています。付属建物の用途・配置・規模や設備との一体性で確認が変わり、市街化調整区域では建築許可の検討が残る場合もあります。
したがって「太陽光だから開発許可が必要」「建築物でないからすべての手続きが不要」と、どちらにも飛躍しないことが大切です。市町村の開発指導要綱等に基づく手続きも確認します。売電設備、管理施設、搬入路、排水を含めた計画図を示し、対象となる行為を具体的に相談してください。
太陽光工事の確認。設備と建築物の関係、土地の区域と現況、制度ごとに要否を確認の順に確認します。
出典:福岡県「開発許可制度 よくある質問」FAQ011 太陽光発電設備を設置する場合。
森林・農地・盛土は、都市計画法と別のチェックを行う
地域森林計画の対象となる民有林での林地開発は、対象森林と行為の区分を確認します。太陽光発電設備の設置を目的とする規模の基準は0.5ヘクタールを超える開発行為。小さい工区へ形式的に分ければよいとは考えず、一体の計画として扱う範囲も確認します。
農地なら転用の手続き、盛土や切土・土石の堆積があれば盛土規制法の確認が加わります。建設業許可、開発許可、農地転用、林地開発は別の制度です。どれか一つの許可番号をもらったことだけで全体が適法になったと判断せず、各制度の対象と施工内容を照合します。
出典:林野庁「林地開発許可制度」/福岡県「農地を転用するには?」/福岡県「盛土規制法の手引き・技術基準・様式等について」。
施工会社は、許可図面と実際の工事が一致するか確認する
注文者が許可を取る立場であっても、施工側は着工してよい工程かを確認する必要があります。許可の対象、条件、工区、地盤の高さ、排水、擁壁など、実際に行う工事と許可図面の関係を担当者間で共有します。申請中と許可済みを同じ意味に扱わないようにします。
計画の変更や現場での追加造成が生じた場合は、変更の手続きの要否を確認します。許可の条件に含まれる着手・中間・完了時の報告等も工程へ組み込みます。「発注者が大丈夫と言った」という説明だけで確認を済ませず、図面や通知に基づいて記録を残すことが重要です。
注文者との打合せ記録には、許可の取得を誰が担当するか、どの図面を施工の根拠にするか、計画変更があったとき誰へ連絡するかを記載します。
許可条件の確認を担当者の記憶だけに頼ると、現場へ最新図面が渡らないことがあります。設計、申請、施工で資料の版と対象区域を共有し、先行してよい工事と許可後に行う工事を自己判断で分けないようにします。工程を急ぐ場合も、着工の条件を確認できない部分は事前に所管へ照会します。
行政へ相談した計画が後で変わった場合は、相談時の回答をそのまま施工の根拠にしないようにします。設備の配置や付属建物、排水の経路の変更が、検討した制度の条件へ影響しないかを担当者間で再確認します。
施工前に共有する資料。許可と認定の状況、許可図面と実工事、変更・報告・検査の工程の順に確認します。
出典:福岡県「開発許可制度 よくある質問」開発行為・規制対象規模・農地転用との関係/福岡県「盛土規制法に関する許可申請等の手引き」第1章 制度編。
福岡の所管は、建設業許可の提出先と同じとは限らない
県の開発許可FAQが示す所管の区分は福岡県(北九州市・福岡市・久留米市・大任町以外の区域)、北九州市、福岡市、久留米市、大任町です。盛土や農地、森林の所管は、それぞれの制度で改めて確認します。県内にある工事だから、すべて県庁で相談すればよいという関係ではありません。
当事務所では建設業許可と農地転用・開発を扱う立場から、工事を請ける準備と、その土地で工事を始める準備をつなげて整理します。測量、設計、構造や排水の技術的判断は、それを担当する技術者等と役割を分けます。窓口の受付時間も変わることがあるため、訪問前に公式の案内を確認してください。
出典:福岡県「開発許可制度 よくある質問」FAQ001 開発許可権者・問合せ先/福岡県「盛土規制法の手引き・技術基準・様式等について」/福岡市「開発許可申請等の手引き」。
相談時は、設備・土地・工事の範囲をまとめる
LINEでは、太陽光・造成の計画であること、農地や山林の可能性、建物を設けるか、既に許可の相談をしているかをお知らせください。面積の数字だけでは判断できないため、土地の用途や工事の内容から確認する資料を選びます。
福岡で農地を資材置き場にするには|転用前に確認する順番は農地、福岡で建設業者が自社の宅地造成を行うには|許認可の順番は自社で行う宅地造成、福岡の山林・雑種地を資材置き場にするには|規制と契約の確認は山林・雑種地の入口です。
工事を受ける側と土地を利用する側の役割を分け、未取得の許可が着工の障害にならないかを計画段階から確認しましょう。
出典:福岡県「開発許可制度 よくある質問」開発行為・規制対象規模・農地転用との関係/福岡県「開発許可制度 よくある質問」FAQ011 太陽光発電設備を設置する場合。