一般から特定への切替え|福岡で般・特新規の人と財産を準備する

一般から特定へ切り替えるときは、般・特新規という申請区分を検討します。
特定の財産要件と技術者要件を、現在の決算や候補者の資料から確認する必要があります。
受注が増えたことだけで切り替わるものではないため、下請へ出す工事の予定と準備の時期を合わせましょう。
般・特新規は、許可区分を変えるための申請として確認する
一般の許可を持つ会社が、対象業種について特定の許可を受ける場合は、般・特新規の検討が必要です。この申請区分には他の向きの切替えもありますが、本稿では一般から特定を考える会社を中心に説明します。既存許可があることだけで、特定の要件の確認が省かれるわけではありません。
特定が必要になるかは、元請として直接請け負う工事と、下請へ出す契約の範囲から確認します。許可区分の詳しい違いは一般・特定建設業の違い|福岡で下請契約と許可要件を整理するへ案内します。自社の受注額や会社の売上高だけから、必要な区分を決めないでください。
切替えの行政手数料は90,000円です。他の申請と組み合わせる場合は、現在の許可と今回行う手続きを整理して県の表を確認します。見積もりの際は、行政手数料と事務所へ依頼する報酬、実費を別に考えます。
出典:建設業法 第3条・第15条/福岡県の申請区分・手数料表。
財産要件は、直前決算の必要な項目をまとめて点検する
特定の財産的基礎は欠損の額が資本金の20%以下、流動比率75%以上、資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上を全て満たす。財務判断は既存事業者では原則直前決算、新規設立企業では創業時の財務諸表。特定許可申請日までの増資で資本金基準を満たす場合は、資本金額の基準を満たすものと扱う。です。一般の財産要件のように、該当する経路を選べば足りると考えず、必要な項目をそろえて確認します。預金があるという事情だけで、財産全体の確認が終わるものではありません。
確認する際は、決算の時期、欠損や流動比率等、資本金と自己資本を分けて整理します。法人の自己資本は貸借対照表の純資産合計を基にします。欠損も単年度の赤字額そのものではなく、繰越利益剰余金と資本剰余金・利益準備金等の関係を県の定義で計算します。資本金と自己資本を同じ数字として扱わず、どの資料のどの内容から確認するかを明らかにします。決算書から読み取れない取引がある場合は、会計担当者等と確認してください。
財務諸表による判定は、既存の事業者では原則として申請時の直前決算、新設企業では創業時の財務諸表を用います。県手引きは、特定申請までに実際に増資して資本金の基準を満たした場合、資本金の額に関する基準は満たす扱いを示しています。この取扱いを、欠損・流動比率・自己資本まで全て申請時点の見込みで置き換えられるという意味に広げないでください。
財務の準備では、どの決算を基に確認するか、資料のどの項目が要件へ対応するかを先に整理します。預金が増えたこと、資本金を増やしたこと、利益が出たことは、それぞれ違う情報です。いずれかの数字が大きいことだけで、特定の財産要件が全て整ったとは判断しないでください。
今の決算では基準に届かないときは、工事の受注計画と会計の見通しを共有して税理士等へ相談します。許可を取るためだけに過去の取引を別の事実として記載したり、将来予定している増資を実行済みとして扱ったりすることはできません。実際の会社の状態と、申請で用いる資料の基準時点を合わせて確認します。
工事の規模が大きくなる予定を営業担当だけが把握している場合は、財務と技術者の準備に必要な時間が見落とされがちです。見積りや発注の計画を早めに共有し、どの業種をいつ特定へ切り替える必要があるかを、申請の準備と現場の体制の両方から検討しましょう。
出典:建設業法 第15条/福岡県の手引き・特定建設業の財産的基礎。
技術者は、特定と業種に対応する資格・経験を確認する
営業所技術者等(旧:専任技術者)の特定の要件は①業種に対応する1級国家資格等 ②一般の営業所技術者の要件を満たし、当該業種で発注者から直接請け負った請負代金4,500万円以上の工事について2年以上の指導監督的実務経験 ③大臣特別認定。指定建設業は①又は③に限る。過去の工事は契約時期等に応じた金額基準の取扱いも確認です。指導監督的実務経験の金額基準と、特定許可が必要となる下請金額の基準は別です。指導監督的実務経験を使えない指定建設業もあるため、申請業種に対応する経路を選びます。過去の工事は、契約時期等に応じた金額基準の取扱いも確認し、現在の金額だけで除外しないようにします。資格や経験の説明を簡略化して、一般の登録がある人なら対応できると考えないようにします。
資格で確認する場合は、種別や区分と、申請する業種との対応を確認します。実務経験等の経路を検討する場合は、指導監督した仕事の内容、元請等の契約上の立場、工事の規模や期間を資料で整理します。工事を担当したという口頭の説明だけで、全ての条件が確認できるわけではありません。
候補者を新たに迎える場合は、採用の予定と実際に勤務できる時期、以前の所属先の登録との関係も確認します。会社の資金と人員を別々の予定で進めると、片方だけ整っても申請の前提がそろわないことがあります。両方の確認の進み具合を共有することが大切です。
出典:建設業法 第15条/福岡県の手引き・特定建設業の技術者要件。指導監督的実務経験では、元請工事の設計・施工全般を総合的に指導監督した内容を資料で確認します。
特定取得後の現場配置と下請取引を、会社の運用へ反映する
特定の許可を取得した後も、各工事の主任技術者や監理技術者、現場への専任や兼任等を確認します。営業所の技術者を確保したことと、全ての現場で必要な配置が整うことは同じではありません。予定する受注の施工体制も合わせて点検します。
下請へ出す契約の内容や、施工体制に関する書類、下請代金の支払いなども確認が必要です。特定の許可だけで金額にかかわらず監理技術者になるわけではなく、元請工事から下請へ出す範囲を確認して主任技術者からの切替えを判断します。下請代金の支払いには、相手方の許可や資本金等に応じた特定建設業者の追加規律もあります。特定の許可を取ったので大きい工事を受けられる、という期待だけでなく、契約・現場・経理が連携して管理できるかを考えてください。
工事の途中で下請契約が追加された場合や、配置する技術者が変わる場合も、当初の予定のままにしないようにします。誰が変更を把握し、誰が法令と照合するかを決めておくと、受注規模の拡大に伴う管理を進めやすくなります。
出典:建設業法 第15条・第24条の8等/福岡県「建設業許可後の手引き」技術者と施工体制。
申請は、決算・人員・受注予定を一緒に並べて組み立てる
準備では、現在の許可業種と有効期間、特定へ切り替える業種、直前決算、候補者の資格、予定する工事を一覧にします。受注の時期が決まっている場合は、なぜその日までに特定が必要なのかも確認してください。元請の取引条件と、法令上必要な時期を分けて整理します。
更新や別業種の追加を同時に検討している場合は、その申請の受付期間や資料の準備との関係を確認します。手数料の組合せだけを理由に時期を決めず、必要な要件と資料がそろっているかを点検します。申請したことと特定の許可を受けたことは別です。
税務や会社法上の手続きが関係する場合は、それぞれの確認を済ませてから申請の日程を具体化します。許可のために実際と異なる決算や勤務の記載を作ることはできません。前提が整わない項目があれば、その理由と次の確認先を整理して進めます。
出典:福岡県の現行申請案内・手数料/建設業法 第15条。
LINEでは、下請への発注計画と現在の体制を伝える
相談時は、今の許可、切り替えたい業種、予定する元請工事と下請への発注の範囲、決算の時期、技術者候補を分かる範囲でお知らせください。資料がそろっていない場合も、何が確認できているかを分けるところから進めます。
一般と特定の違いは一般・特定建設業の違い|福岡で下請契約と許可要件を整理する、財産要件の全体像は建設業許可の財産要件|福岡で自己資本・資金と決算を確認する、赤字・債務超過のときの確認は福岡の建設業許可|赤字・債務超過と財産要件を分けて考えるで詳しく説明します。自社の受注計画と要件の準備を別々に進めず、切替えの必要性と実行できる時期を同じ地図で確認しましょう。当事務所の報酬は、資料と依頼範囲を確認したうえで個別に見積もります。
出典:福岡県の許可の案内。