国際行政書士斉藤事務所

決算変更届は毎年必要|福岡で税務申告と分けて資料を準備する

建設業許可を受けた事業者は、決算後に建設業法上の届出を行います。
税務申告や会計の決算が終わっただけでは、許可に関する届出まで完了したことにはなりません。
決算の確定、工事資料の整理、財務資料の作成、提出の控えまでを分けて管理しましょう。

提出期限と提出先は、事業年度と現在の許可で確認する

決算後の届出期限は事業年度終了後4か月以内です。会社の決算期や個人事業の事業年度を確認し、税務申告の期限と同じものとして扱わないようにします。決算書が出来上がった日だけを起点に予定を考えると、法定期限との関係を見失うことがあります。

提出先は、現在の許可と主たる営業所の所在地に応じて確認します。県内で営業所を移した場合等は、以前提出した窓口と同じと決めつけず、変更届の状況と管轄を確かめてください。提出方法や必要な部数・形式も、現在の案内に合わせて確認します。

届出をしない等の違反には6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金という罰則規定が関係します。提出が遅れた場合に直ちに同じ結果になると断定するものではありませんが、単なる社内の事務処理として後回しにしないことが大切です。未提出の事情がある場合は、どの年度が不足しているかを整理して相談します。

出典:建設業法 第11条/福岡県の手引き「決算終了後の届出を行う場合」。

法人と個人で、工事・財務・納税の資料を整理する

県の変更届と添付書類の一覧はhttps://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/242837.pdfです。工事を受注していない期でも、許可を維持していれば毎期の届出を行います。許可業種で一定期間工事の実績がない場合は、許可業種の中で1年間工事実績がない場合の理由書(任意様式)を添える県の取扱いも確認してください。法人と個人では財務関係の資料等に違いがあるため、現在の申請者の形態に合わせた一覧を確認します。前年のファイルをそのままコピーして、内容を確認せず使わないようにしてください。

分類必要な資料整理する内容
工事の経歴工事経歴書(様式第2号)完成した工事や該当する契約
工事の施工金額直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)業種等に応じた施工金額
財務関係法人:貸借対照表(様式第15号)、損益計算書(第16号)、株主資本等変動計算書(第17号)・注記表(第17号の2)等。個人:貸借対照表(第18号)、損益計算書(第19号)法人・個人に合う財務資料
納税関係法人・個人事業税納税証明書(直前事業年度の事業税について納付すべき額と納付済額等を確認するもの)対象税目と期間の証明
その他県の一覧で申請者に応じて確認使用する人数等、必要な情報

表の資料に加え、会社の形態や変更の有無に応じて事業の報告や使用する人数等の資料を確認します。工事資料は会社や現場、財務資料は経理担当者等が管理している場合があるため、どこに何があるかを先に把握します。資料を作る人と、元になる事実を確認する人を分けて決めておきましょう。

出典:福岡県の手引き・決算終了後の届出の添付書類。現行の一覧では法人用・個人用の欄を分けて確認します。

会計の決算書を、建設業の資料へそのまま移せるとは限らない

税務申告や会社の決算で用いる資料と、建設業許可で求められる財務関係の書式は、項目や分類の確認が必要です。科目の名前が似ているから同じ欄へ転記する、という方法だけで処理しないようにします。

建設工事と他の事業の売上、完成した工事と未完成の工事、工事に関係する費用等を、元になる会計資料と照合します。分類が分からない部分は、取引の実態と会社の会計処理を確認してから整理します。建設業の資料に合わせるために、元の取引を別の事実として扱うことはできません。

法人事業税等の納税に関する証明も、税目と年度を確認します。納税額がないことを理由に、証明が不要だと先に決めないでください。取得先の案内や県の一覧に沿って必要な資料を確かめます。取引の分類が分からない部分は、元帳や工事別の資料と対応させて会計担当者へ確認します。

会計と工事の原資料を、建設業の届出へ結び付ける会計資料と工事資料を別の入口から確認し、分類と内容を照合して届出と控えの保存へ進める。会計の原資料売上・費用・財産工事の原資料契約・施工内容建設業の項目へ整理工事区分と財務内容を照合期限内の届出控えと元資料の保存

工事の集計では、会計の売上の合計だけでなく、どの業種のどの工事を対象にするかを追える記録を用意します。工事名だけでは区分が分からない場合は、契約や施工内容を確認してから整理しましょう。経理担当者が工事内容を把握できない部分は、現場や営業の担当者へ確認し、推測で分類を決めないことが大切です。

建設業以外の事業を営む場合も、その売上や費用を含めた会計全体と、建設業に関する記載を照合します。税務申告の数字と違って見える部分があるなら、単に同じ数字へ直すのではなく、どの分類や対象範囲の違いによるものかを確認してください。提出後に説明できるよう、元の資料から作成した資料への対応を残しておきましょう。

出典:福岡県の手引き・決算終了後の届出と財務関係の記載例/同申請案内。

未提出の年度は、更新等の直前まで残さず確認する

決算後の届出を提出していない場合、更新の準備や審査等に影響することがあります。県の手引きでも、提出しない場合は更新を受けられないことがある旨が示されています。許可の有効期限がまだ先だから、届出を後でまとめればよいという管理はしないでください。

業種追加や経営事項審査等を予定する場合も、必要な届出が整っているかを確認します。未提出でも何の影響もなく別の手続きへ進めると考えることはできません。一方で、「何年分出していないので一律に全て不可」と資料を見ずに決めつけず、不足する年度と内容を整理します。

提出したか分からない場合は、会社や依頼先が保管する控えを探します。ファイルがないことだけで未提出と断定するのではなく、提出の記録を確認してください。過去の資料を再作成する場合も、実際の工事と決算の記録に基づいて整理し、推測の数字で埋めないようにします。

出典:建設業法 第11条/福岡県の決算後届出手引き。不足する年度の資料と受付の記録をそろえ、提出の順番を管轄へ確認します。

経営事項審査を予定する会社は、希望日から準備を逆算する

経営事項審査を受ける会社は、決算後の届出だけでなく、関連する分析や審査の手続きの予定も合わせて確認します。法定の提出期限に間に合うことだけを目標にすると、希望する審査の日程へ準備が間に合わない場合があります。

決算が固まる時期、会計担当者との資料のやり取り、工事の確認、各手続きの申込み等を同じ予定表へ並べます。法定期限と希望する審査日を別々に記し、決算後の作業をどこまで前倒しできるか、資料を作る担当者とも相談しましょう。

工事の実績を扱う際は、提出する区分や経営事項審査との関係を確認します。売上の大きい工事だけを選んで書けばよいと考えず、県の記載方法と元資料を照合してください。経理と現場の情報をつなげておくことが、後から工事の内容を確認する負担を減らします。

毎期の届出と経審の準備を分ける決算後の法定届出と、経審を受けるための希望日からの準備を合わせて管理する。決算後の届出法定期限を確認提出済みを管理経審の準備希望日から逆算関連手続きと調整

出典:福岡県「建設業許可後の手引き」経営事項審査等の案内/同決算後届出の手引き。

決算の担当者と許可の担当者をつなぎ、LINEで不足を整理する

毎期の管理では、決算が確定したことを誰が許可担当へ知らせるか、資料をいつ渡すか、提出の控えを誰が保管するかを決めます。税理士へ決算を依頼していることだけで、建設業の届出も自動的に提出されると思い込まないようにしてください。

当事務所への依頼は、資料の状態と範囲を確認して個別に見積もります。未提出の届出をさかのぼって整理する作業が必要かも、見積もり前に確認します。未提出の年度がある場合は、その年数や資料の所在も分かる範囲でお知らせください。

未提出と更新の関係は決算変更届の未提出を福岡で整理|更新前に年度をそろえる方法、経営事項審査との関係は経営事項審査の流れ|福岡で決算から公共工事の準備をつなぐで詳しく説明します。経理担当者が変わるときも、前年の提出控えと元資料の所在を引き継いでください。毎期の作業を誰が行うかを明らかにするところから進めましょう。

出典:福岡県の申請・変更届の案内。