国際行政書士斉藤事務所

下請けにも建設業許可は必要?福岡で工事と働き方を分ける

下請なら許可はいらない、とは判断できない

建設業許可の要否は、元請か下請かという呼び方だけで決まりません。
下請として建設工事を請け負う場合も、工事内容と請負代金から軽微な工事に当たるかを確かめます。
元請の許可を借りて自社の請負をするという理解は避け、自社に必要な業種と許可を確認してください。

建築一式工事以外の軽微な工事の基準は工事1件の請負代金が500万円未満(税込)です。実際に何を施工するか、どの範囲の完成を引き受けるかを契約から整理します。建物全体の工事の一部だからといって、自社が請け負う専門工事に建築一式の基準を使えるとは限りません。

材料を元請が用意する、手間だけを請け負うといった契約でも、工事を完成させる請負なのか、労務を提供する働き方なのかを確認する必要があります。見積書に手間と書いてあることだけを理由に、許可の確認を省かないようにしましょう。

下請でも自社の工事を確認自社の請負範囲を確認、金額と材料等を整理、必要な許可業種を照合 自社の請負範囲を確認 金額と材料等を整理 必要な許可業種を照合

出典:建設業法 第3条/建設業法施行令 第1条の2。

元請から求められる許可は、法令と取引条件を分ける

元請が下請へ許可を求めるのは、法令上必要な確認だけとは限りません。継続的な取引の登録、施工体制の把握、社内の協力会社基準などによって、軽微な工事を担当する業者にも許可の写しを求める場合があります。法定義務と、その元請の取引条件を分けて聞いてください。

許可を持っている場合も、どの業種を持ち、有効期間がいつまでかを正確に伝えます。会社が何らかの許可を持つことと、今回の工事に対応する許可があることは同じ確認ではありません。下請側も、見積りの内容と許可業種を対応させて説明できるようにします。

許可の確認に加えて保険や技能者の登録を求められることもありますが、それぞれ制度が異なります。元請から渡された書類一覧を、すべて建設業許可の要件だと受け止めないことが大切です。不明な欄は、何の制度で何を確認するためかを聞いて整理しましょう。

出典:建設業法 第3条・第26条/国土交通省「よくわかる建設業法」元請・下請と許可。

発注する側にも、下請の許可を確かめる責任がある

自社がさらに下請へ出す場合は、自社が下請の立場であっても、その先へ注文する側になります。相手が請け負う工事の内容と規模を確認し、必要な許可を持つ業者へ発注する体制を整えます。下請だから発注時の確認は元請だけの仕事、と考えないようにしてください。

許可のない業者へ、許可が必要な工事を下請負させる行為は、注文した側の監督処分等にも関係します。いつも頼んでいる業者だからと口頭で確認するだけでなく、許可の内容を確認した記録を残すことが実務上役立ちます。

契約後に追加工事が発生する場合も、当初の規模だけで確認を終えません。工事の範囲や金額が変わったときに再確認する担当を決め、契約変更が現場担当や事務担当に伝わるようにします。確認を受注時の行事にせず、変更に追随することが重要です。

法令と元請の条件を分ける法令:工事の実態から判断、取引条件:元請の基準を確認 法令 工事の実態から判断 取引条件 元請の基準を確認

出典:建設業法 第28条/福岡県「監督処分の基準」無許可業者への下請負等。

一人親方の請負と雇用は、契約名だけで決めない

請負として仕事をしているつもりでも、実際の働き方が労働者に当たるかは別の確認です。仕事を断る自由、作業の進め方への指揮監督、時間や場所の拘束、本人以外が代わって作業できるかなどを、実態から見ます。

日当という支払方法だけで結論は出せませんし、事業主という肩書きや外注費の勘定だけで判断が決まるものでもありません。工事完成についてどの責任を負うか、道具や費用を誰が負担するかなども含めて整理します。安全上の指示を受けることと、労務上の指揮命令を受けることも、具体的な内容から確認します。

労働者性や保険の扱いに疑問がある場合は、労働行政や社会保険労務士等への確認につなぎます。判断に当たっては、注文書の名称だけでなく、仕事の断り方、日々の指示、勤務の管理、代替の可否、道具や費用の負担を示す資料をそろえてください。許可を取得したことが、実態に合わない働き方の問題を解消するわけではありません。

出典:厚生労働省「その職人さん、一人親方ではなく労働者ではありませんか?」。

福岡では、請負内容と今後の受注予定を整理して相談する

許可が必要かを調べる際は、元請から受け取った注文内容、見積りの施工範囲、材料を用意する人、今後の追加予定を整理します。現在の工事が軽微かという問題と、取引を広げるために許可を取るかという経営上の判断は、分けて考えると整理しやすくなります。

  1. 自社が完成を引き受ける工事の範囲を確認する。
  2. 請負代金と材料・追加変更の内容を確かめる。
  3. 自社と再下請先の許可業種を照合する。
  4. 働き方の問題があれば、許可とは別に確認する。

LINEでは、下請として受ける工事の内容、契約の範囲、元請から許可を求められているかをお知らせください。基準は建設業許可が必要な工事とは|福岡で軽微な工事を判断する順番、取得の意味は建設業許可を取る意味|福岡の小規模業者が受注と維持費で考えるで確認できます。独立直後で資料がまだ少ない場合も、受注予定と働き方を分けて、自社に合う確認の順番を整理します。

出典:福岡県「建設業許可の手引き」許可のあらまし/建設業法 第3条。