国際行政書士斉藤事務所

建設廃材の自社運搬|福岡で産廃許可と元請・下請を確認する

自社の車で運べば自己運搬、とは限らない

工事の廃材を自社の車で運んでも、それだけで許可不要の自己運搬にはなりません。
建設工事では排出事業者の扱いを確認し、元請が自ら運ぶ場合と下請が運ぶ場合を分けます。
廃棄物の種類、運ぶ区域、積替保管の有無まで整理して、必要な許可と手続きを確かめてください。

建設工事から出る廃棄物では、原則として元請が排出事業者となる扱いがあります。廃材を実際に出した作業を下請が行ったから、その下請の廃棄物になると単純に考えないようにします。誰から誰へ工事を請け負っているかを確認することが出発点です。

自社が元請か下請かは、工事ごとに変わる場合があります。会社全体の呼び方で決めず、当該契約での立場と廃棄物の流れを図にしてください。運転する人や車両の名義だけで判断せず、収集運搬を誰が誰から引き受けるかを整理する必要があります。

運搬する立場を分ける元請:自己の排出物か確認、下請:他者の排出物か確認 元請 自己の排出物か確認 下請 他者の排出物か確認

出典:廃棄物処理法 第21条の3/福岡県「産業廃棄物収集運搬業・処分業を始めるには」許可制度。

元請の自己運搬と、下請による運搬を分ける

排出事業者である元請が自らの廃棄物を運ぶ場合は、収集運搬業の許可との関係に自己運搬の扱いがあります。ただし、許可が不要な場面でも、廃棄物の処理基準や表示・書類等の確認がなくなるわけではありません。

下請が元請の廃棄物を運ぶ場合は、原則として他者の廃棄物を運ぶ事業として、許可の確認が必要です。工事のついでだから、運搬費を別に取らないから、といった事情だけで自己運搬に置き換えないようにしましょう。

法令には、一定条件を満たす場合の下請による運搬等の例外もあります。具体的な条件は解体・新築・増築を除く請負代金500万円以下の工事、又は引渡し後の瑕疵修補で適正な請負代金相当額500万円以下の工事から出る廃棄物(特別管理廃棄物を除く)が対象。元請・下請間の書面による請負契約で運搬を定め、1回1立方メートル以下と明らかな区分で、発生現場と同じ又は隣接する都道府県にあり元請が所有権又は使用権原を持つ施設へ運び、運搬途中では保管しないこと等の全条件を満たす。車両表示と証明書面の携行も必要です。例外の存在を理由に、下請の運搬すべてを許可不要と説明しません。工事、廃棄物、契約や運搬の実態を示して確認してください。

出典:廃棄物処理法 第14条・第21条の3/福岡市「建設廃棄物の処理責任の一元化」下請負人の運搬の例外/環境省「改正廃棄物処理法Q&A」建設工事の例外。

許可を検討するときは、廃棄物と区域・保管を確認する

収集運搬の許可では、扱う廃棄物、車両や運搬方法、事業の計画、経理的な基礎、知識等の確認が関係します。講習を受けることだけで全要件を満たすわけではありません。講習の種類や有効な修了証明、申請する区分も、県の現行要領で確かめます。

福岡県の案内では、県の許可によって政令市を含む県内全域で収集運搬できる扱いが示されています。一方、政令市内に積替保管場所を設ける場合は、当該市の許可の確認が必要です。運搬先へ直接行く場合と、途中で降ろして保管する場合を分けて考えてください。

県外の現場や処分先がある場合も、積込み・荷下ろし等の地域に応じた許可の範囲を確認します。積込み先と荷下ろし先を地図にし、許可を取る地域、扱う廃棄物の種類、保管する場所を照合してください。通過するだけの地域と、積込みや荷下ろしをする地域も区別します。建設業許可の管轄と同じだと決めつけないようにします。

廃棄物の流れを確認工事と排出事業者、運搬区域と保管の有無、委託先の許可と処理記録 工事と排出事業者 運搬区域と保管の有無 委託先の許可と処理記録

出典:福岡県「産業廃棄物収集運搬業・処分業を始めるには」県許可と政令市・申請要領。

許可の有無だけでなく、委託契約と処理の記録をつなげる

他者へ収集運搬や処分を委託する場合は、委託先の許可が、廃棄物の種類や運搬・処分の内容を含んでいるかを確認します。知り合いの処理業者だからという理由だけで任せず、現在の許可内容を確認したうえで契約を整えます。

委託契約とマニフェストは役割が異なります。何をどの範囲で委託するかという合意と、実際の廃棄物の流れや処理の確認を、それぞれ管理してください。書類を持っていることだけで、実際の搬出先や処分の状況を確認しなくてよいことにはなりません。

収集運搬業の許可を取ることで、受託できる業務の幅が変わる場合がありますが、許可取得だけで利益が増えるとはいえません。講習、申請、車両等の整備、継続管理の費用と、自社の事業で必要な範囲を比べます。申請費用だけで判断せず、車両の確保、更新、委託契約や帳票の管理まで含めて見積もりを確認してください。

出典:廃棄物処理法 第12条・第12条の3・第14条/福岡県「産業廃棄物収集運搬業」申請の案内。

福岡では、廃材がどこからどこへ動くかを図にする

相談前には、工事の発注関係、廃棄物の種類、積込み場所、運搬する事業者、保管場所、処分先を並べます。工事の下請契約と廃棄物の委託を一つの話にまとめず、それぞれ誰が責任を負うのかを確認できる形にしましょう。

  1. 当該工事の元請と排出事業者の扱いを確認する。
  2. 自己運搬か、他者の廃棄物の受託運搬かを分ける。
  3. 種類・区域・積替保管と必要な許可を照合する。
  4. 委託契約と処理の記録、更新管理を整える。

LINEでは、元請か下請か、自社の車でどこからどこへ運ぶ予定か、途中で保管するかをお知らせください。廃材を自分のものと呼ぶだけで判断せず、契約と処理の流れから確認します。処分等の予防は建設業の監督処分を防ぐ|福岡で契約・配置・申請を点検するで確認できます。契約を示す際は、工事の請負と廃棄物の処理委託を分けて整理しましょう。

出典:廃棄物処理法 第21条の3/福岡県「産業廃棄物収集運搬業・処分業を始めるには」。