建築一式なら何でもできる?福岡の附帯工事と専門工事の境界

一式の許可は、専門工事すべての許可をまとめたものではない
建築一式工事の許可があっても、内装や屋根などの専門工事を単独で請け負えるとは限りません。
附帯工事は、許可を受けた主たる工事に伴う従たる工事として、関係を具体的に確認します。
受注できる範囲と、自社で施工する場合の技術者の確認を分けて考えましょう。
建物に関係する工事というだけで、すべてが建築一式になるわけではありません。総合的な企画・指導・調整のもとに行う一式工事と、特定の施工を完成させる専門工事を区別します。見積りに一式と書いたことや、元請として請け負ったことだけで、許可業種が決まるものでもありません。
自社が持つ許可の名称と、今回の契約の内容を照合することが先です。業種の全体像は土木一式(土)・建築一式(建)・大工(大)・左官(左)・とび土工コンクリート(と)・石(石)・屋根(屋)・電気(電)・管(管)・タイルれんがブロック(タ)・鋼構造物(鋼)・鉄筋(筋)・舗装(ほ)・しゅんせつ(しゅ)・板金(板)・ガラス(ガ)・塗装(塗)・防水(防)・内装仕上(内)・機械器具設置(機)・熱絶縁(絶)・電気通信(通)・造園(園)・さく井(井)・建具(具)・水道施設(水)・消防施設(消)・清掃施設(清)・解体(解)です。似た名称の工事でも、実際に何を施工するかで確認する業種が異なるため、名称の印象だけで受注範囲を広げないようにしてください。
出典:建設業法 第3条・第4条/福岡県「建設業許可の手引き」工事の種類。
附帯工事は、主たる工事との関係から考える
附帯工事は、主たる工事に伴って必要となる従たる工事として整理するもので、許可のない業種を何でも一緒に請けられる制度ではありません。主たる工事の施工によって必要になるのか、全体としてどのようにつながるかを確認します。
例えば、修繕や改修の契約では、主たる施工に伴って復旧や付随作業が生じることがあります。しかし、同じ建物や同じ発注者の仕事であるという事情だけで、独立した別工事まで附帯と扱えるとは限りません。工事の目的、規模、契約の範囲を説明できるようにします。
別々に施工できる独立した専門工事を、請求書の同じ行にまとめたことで附帯に変えられるわけでもありません。主従の関係が判断しにくい場合は、図面や見積りで施工範囲を整理し、行政庁へ確認してください。附帯という言葉で判断を終えず、その根拠を確認する姿勢が必要です。
出典:建設業法 第4条/福岡県「建設業許可の手引き」附帯工事。
自社施工と下請への発注では、確認する体制が異なる
附帯工事を自社で施工する場合は、軽微な工事に当たる場合を除き、その業種の主任技術者になれる資格・経験を持つ専門技術者を置きます。主たる工事の主任技術者や監理技術者が、その附帯工事の要件も備えていれば兼ねられます。備えていなければ別の専門技術者を置くか、当該業種の許可業者へ下請負させる扱いです。
下請へ出す場合は、施工する相手方の許可や業種、工事の規模を確認します。元の契約で附帯と整理したことが、下請側の許可の要否まで消すものではありません。主たる工事と附帯工事の関係に加え、誰がどの範囲を施工するかを別に図示すると分かりやすくなります。
営業所技術者等(旧:専任技術者)としての配置と、現場の技術者として行う職務も区別します。会社が許可を持ち、技術者も在籍しているという情報だけでは、その工事を適法な体制で施工できるかは決まりません。担当する工事と実際の配置を照合しましょう。
出典:建設業法 第26条の2/国土交通省「よくわかる建設業法」附帯工事と技術者。
外構・改修・太陽光は、商品名ではなく施工内容を分ける
外構という呼び方には、造成、舗装、植栽、工作物の設置など、異なる作業が含まれることがあります。どの業種に当たるかは、商品名や営業上の名称だけでなく、主要な施工内容から確認します。建築物と一緒の契約だから建築一式、と先に結論を出さないようにします。
リフォームも、全体を総合的に調整する工事なのか、内装、屋根、防水などの専門工事を単独で受けるのかを区別します。許可が必要な規模かの確認と、どの業種の許可が必要かの確認は、両方行う必要があります。
国の業種区分の例示から、施工内容を条件にして整理すると、次のように区別できます。外構や改修という商品名を、そのまま許可業種名へ置き換える表ではありません。
| 施工内容を確かめる条件 | 対応を検討する工事区分 |
|---|---|
| 外構で、庭園・緑地を築造するために樹木を植える | 造園工事 |
| 外構で、地盤面をアスファルト等で舗装する | 舗装工事 |
| 改修で、壁紙や床材等による内装の仕上げを行う | 内装仕上工事 |
| 太陽光発電設備を設置する | 電気工事 |
| 太陽光パネル自体を屋根材とする屋根一体型を設置する | 屋根工事 |
例えば、駐車場全体の改修でも、舗装と植栽では主要な施工が異なります。太陽光でも、設備を載せる工事と、パネルを屋根の構成材として施工する工事を分けて確認します。太陽光発電設備を屋根に設置する電気工事には、屋根等の止水処理を行う工事が含まれるという国の整理もあります。
表は工事区分を調べる入口です。仕様、契約範囲、主たる工事との関係が変われば、別工事や附帯工事の検討も必要になるため、見積りと図面で実際の施工範囲を確かめてください。
出典:国土交通省「適正な施工体制の確保に関するQ&A」資料編・建設工事の業種区分一覧表/福岡県「建設業許可の手引き」業種区分・工事内容/建設業法 第3条・第4条。
福岡では、主たる工事と施工分担が分かる資料をそろえる
相談前には、工事全体の目的、自社が請け負う範囲、附帯と考えている作業、施工を担当する事業者をまとめます。見積りを業種名へ機械的に置き換えるのではなく、何を完成させる契約なのかが伝わる資料を用意しましょう。
- 契約全体と主要な施工内容を整理する。
- 単独の専門工事か、主たる工事に伴う作業かを確かめる。
- 自社施工の技術者と、下請の許可を確認する。
- 判断が難しい部分を県の案内と照合する。
LINEでは、持っている許可業種と予定する工事の概要をお知らせください。附帯工事の基本は建設業許可の業種一覧|福岡で工事内容から必要な業種を選ぶで確認できます。建築一式の工事を総合的に扱うのか、改修の専門工事を受けるのか、現在の見積りをもとに整理しましょう。許可を持っている安心感だけで、受注範囲を広げないことが大切です。