建設業許可の事業承継|福岡で法人成り・親子承継・相続を準備

建設業許可のある事業を引き継ぐときは、事業承継の認可の制度を検討します。
譲渡・合併・分割では実行前の認可、相続では法令に沿う期限内の申請等が関係します。
会社や資産の手続きを先に済ませる前に、現在の許可、引継ぎの対象、人員と実行日を整理しましょう。
事業や資産を引き継ぐことと、許可が続くことを分ける
親子で事業を続ける、個人から法人へ移す、会社を合併するなどの予定があっても、許可が自動的に次の主体へ移るとは限りません。誰が営業し、何の事業を、どの方法で引き継ぐかを確認する必要があります。
法令に沿って事業を引き継ぐ場合には、事業承継の認可制度を検討します。認可による承継では、法令と要件に沿って、許可に係る建設業者としての地位を引き継ぐ仕組みを検討します。許可の名義だけを売買するような考え方で、事業の実体と切り離して扱う制度ではありません。
県の手引きは令和7年3月版 https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/251229.pdfです。従来の廃業と新規申請で対応する方法もありますが、その場合の許可番号や、許可業者として営業できない期間等を確認します。どちらの方法でも結果が同じと考えず、受注や取引先登録への影響を含めて検討します。
出典:建設業法 第17条の2・第17条の3/福岡県「建設業許可の承継の手引き」許可の承継。
譲渡・合併・分割は、実行前の認可と全部の承継を確認する
事業譲渡では、許可に係る建設業の全部の譲渡について、所定の認可を受ける制度を検討します。会社の他の事業まで常に同じ扱いになるという意味ではなく、許可に係る建設業の範囲を正しく整理することが必要です。
合併では、消滅する会社と存続・新設する会社等の関係、分割ではどの建設業をどの会社へ引き継ぐかを確認します。登記や契約の手続きと、建設業許可の認可を、別の担当者が独立して進めると順番が合わなくなることがあります。実行日と認可が必要な時期を共有しましょう。
要件を満たす認可を事前に受けることと、実行後に承継の相談をすることは同じではありません。事業を動かしてから過去の日へさかのぼって認可を整えるという方法を前提にしないでください。会社の再編や譲渡の計画を具体化する段階から、許可の条件も検討します。
出典:建設業法 第17条の2/福岡県の承継手引き・事業承継等の種類と要件。
相続では、死亡後の申請期限と許可の有効期間を先に確認する
相続に関する申請期限は死亡後30日以内に認可申請です。個人の許可業者が亡くなり、相続人が建設業を引き続き営む場合は、認可の手続きを確認します。名義を家族へ変えるだけの届出と考えないようにしてください。
県の手引きは、相続の認可申請を被相続人の許可の有効期間内に行う必要があることも示しています。死亡後の期限だけを見て、許可の満了が近い事情を見落とさないようにします。現在の許可通知や届出の控えを早めに確認することが重要です。
亡くなった後は、相続全体の手続き、事業の契約や支払い、人員の確認が重なります。許可の申請がどこまで必要か分からない場合でも、資料の整理がすべて終わるまで待たず、現在の許可と営業の状況を伝えて相談してください。
相続の場合、県手引きでは、死亡時から適正な経営管理と技術者の体制があることを立証する必要があります。死亡後に新しい人を探せば空白を補えるという前提で進めず、当時からの体制と資料を早く点検します。申請した相続人については死亡から認可まで従前の許可がその相続人にされたとみなす規定もありますが、期限内に申請したか等の条件を省いて扱わないようにします。事業を続ける人が経営を管理する体制や技術者等の要件をどう満たすかも確認します。家族であることや、以前から仕事を手伝っていたことだけで、全ての要件が整うという説明はしません。個人の経歴と会社や事業の資料を結び付けて検討します。
出典:福岡県「建設業許可の承継の手引き」相続における死亡時の人員体制。
出典:建設業法 第17条の3/福岡県の承継手引き・相続の要件。
認可の条件は、引継ぎ前後の許可と人員で照合する
引き継ぐ側が既に許可を持つ場合は、現在の業種や一般・特定の区分と、引き継ぐ許可の関係を確認します。同じ業種について一般と特定の区分が異なると、そのまま承継することはできません。県手引きは、認可申請前にいずれかの当該許可を廃業する調整を示しています。残す工事へ影響するため、廃業だけを先に進めず、承継後の全業種の要件と合わせて検討します。「許可会社どうしなら何でも引き継げる」という考え方はしないでください。
常勤役員等(旧:経営業務の管理責任者)、営業所技術者等(旧:専任技術者)の体制、財産、営業所、社会保険等についても、承継後の状態を整理します。承継元で要件を満たしていたことと、承継後も要件を満たせることは、分けて確認する必要があります。
一部だけ事業を残す予定や、特定の営業所を動かす予定がある場合は、その計画を先に共有します。認可の対象を確認せず、許可の都合だけで事業の記載を変えることはできません。引継ぎの対象と、実際に営業する体制を一致させて考えます。
出典:福岡県の承継手引き・認可の要件/建設業法 第17条の2・第17条の3。許可に係る業種の一部だけを承継することはできず、承継しない業種は事前の手続きを整理します。
県の提出時期と相談開始の目安を分け、実行日から逆算する
福岡県へ認可申請する事業譲渡・合併・分割では、県が指定する申請書の提出時期は事業譲渡・合併・分割の効力発生日の2か月前まで(提出時期厳守)、提出先は福岡県 建築都市部 建築指導課(本庁)です。これは事前相談を始める時期の目安とは別の提出時期の指定であり、県は厳守する扱いを示しています。実行日だけを先に決めず、この提出時期に間に合うように準備日程を組み立てます。
相続は、この実行前に提出する区分には当たりません。申請期限は死亡後30日以内に認可申請であり、被相続人の許可の有効期間内に申請する条件も確認します。県の手引きに従い、提出前に担当者と日程を調整します。
提出時期は相談開始の目安ではありません。対象業種、人員の所属、保険、契約案等を確認する時間を取れるよう、申請書を提出する時期より前から相談します。県の認可申請には手数料はかかりませんが、承継認可は県の電子申請の対象外であり、提出前に担当者と日程を調整する必要があります。
準備では、現在の許可、届出の状況、承継の方法、当事者、営業所と人員、実行日の予定を整理します。相続を除く事前の手続きと、死亡後に確認する手続きを同じ順番として扱わないようにしてください。申請に必要な資料と、登記や契約等で必要な資料の役割も分けます。
資産や事業の移転の税務は、税理士等への確認が必要です。会社の再編や登記、相続の手続き等も、関係する専門家の担当範囲を整理します。許可の準備があるから他の制度の確認は不要、ということにはなりません。予定を共有し、手続きどうしの前提を合わせて進めます。
承継の打合せでは、引き継ぐ契約や人員を、許可の申請資料と対応させて整理します。事業の譲渡契約を作る担当者が、許可で必要な体制を把握していないと、実行日には人や営業所を移す計画なのに、認可の準備が整わないといった食い違いが起こり得ます。許可の検討も事業計画の中へ入れてください。
引継ぎ前後の担当者を含め、誰が元の資料を保管し、誰が問い合わせへ答えるかも決めておきます。過去の決算や経験を確認する資料は、事業の移転後になってから探すのが難しくなる場合があります。廃業と新規申請の方法を選ぶ場合にも、以前の許可があった事実だけで、新しい主体の要件を省略できるとは考えないようにしましょう。
出典:福岡県の承継手引き「承継(認可)の手続」認可申請書の提出時期(受付)/建設業法 第17条の2・第17条の3。承継認可は通常の変更届と提出先・提出時期が異なります。
LINEでは、今の許可と引継ぎの方法・時期を伝える
相談時は、現在の営業主体、許可業種と有効期間、誰がどのように引き継ぐ予定か、実行や死亡等の時期を分かる範囲でお知らせください。引継ぎ先に既に許可がある場合は、その区分と業種も確認します。最初から全ての個人情報や契約を送る必要はありません。
親子間の事業譲渡と死亡後の相続では、申請時期と資料が異なります。親族間の引継ぎでも、営業主体と許可の体制を分けて整理することが大切です。事務所報酬は、依頼範囲を確認して個別に見積もります。
出典:福岡県の申請・承継の案内。