「質屋を開業したい」その前に。実務から見えた、失敗しないための「2段階スタート」戦略
この記事のひとこと
質屋を始める前に保管設備を確認し、古物商の売買から段階を分けて始めるかを検討します。
質屋の開業や買取店の営業を考え、物件や設備の準備で迷っていませんか。
品物を担保にお金を貸す質屋と、中古品を買って売る古物商は、別の営業です。
福岡県では、物件を契約する前に所轄警察署へ計画を相談しましょう。

図が画面に収まらない場合は、左右にスクロールできます。
営業の一般的な比較です。預かった質物と、買い取って自社の在庫になった品物は、管理上も分けて考えます。
目次
Table of Contents
1 貸す仕事か、買って売る仕事かを決めます
質屋は、物品を質に取り、お金を貸す営業です。流質期限までに返済を受けない場合は、質物を弁済に充てる約束を付けます。単に中古品を買い取り、販売する買取店とは、契約の内容が違います。
古物商として中古品の買取販売を行いたい場合は、古物営業の許可を確認します。質屋営業の許可だけで、一般の買取販売まで何でも行えると考えないでください。貸付けと買取販売の両方を予定するなら、それぞれの営業内容と必要な許可を整理します。
最初に、何を扱うか、店頭だけかインターネットも使うか、誰が営業するかを書き出します。個人で始めるのか、法人で始めるのかも大切です。あとから営業主体を変えるときは、名義だけを書き換えれば済むとは限りません。
質屋の許可は、営業する人や法人が営業所ごとに受けます。古物商は、主たる営業所のある都道府県の公安委員会による許可を基本とする制度です。店舗を増やす場面も、質屋と古物商で同じ申請単位だと考えないようにします。
2 質屋では、質物保管設備を先に確認します
お客様から預かる質物を守るため、質屋には保管設備の確認があります。質屋営業法は、火災や盗難等の予防のため、公安委員会が保管設備の基準を定める仕組みを設けています。
福岡県では「質物の保管設備の基準に関する規則」があり、県警の取扱要綱でも、許可申請時にその基準に合うかを調べるとされています。通称「質蔵」と呼ばれますが、普通の倉庫や市販の金庫を置くだけで基準に合うと決めることはできません。
物件を選ぶ段階で、平面図、建物や設備の状況、扱う品物、予定する保管方法を整理します。既存物件なら、以前の設備をそのまま使えるかも確認します。以前質屋だったという説明だけで、新しい営業者の許可まで見込まないようにしてください。
建物を借りる場合は、貸主が予定する工事や営業を認めるか、建物の規約や契約の用途にも確認が必要です。警察の設備基準を満たすことと、貸主の承諾があることは別の確認です。
私は、申請に必要な設備資料や図面の整理を行います。建築上の適合や工事方法は、建築士や施工会社にも確認する内容です。警察への事前相談と、建物・工事の検討をそろえて進めましょう。
3 古物商から始め、後から質屋を加える選択肢
最初から両方の営業を始める方法のほかに、古物商の許可を受けて買取販売を始め、保管設備や資金の準備が整ってから質屋営業を加える順番もあります。
この場合、第一段階でできるのは、許可と法令の範囲内の古物営業です。質屋の許可を受ける前に、買取の名目で品物を担保にお金を貸すような営業はできません。お客様への説明や契約の形も、予定する営業内容に合わせます。
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一つの進め方案です。古物商の営業が自動的に質屋の許可へ切り替わるものではなく、質屋の許可は別に必要です。
古物商を先に始めると、質屋の設備投資を後で判断できます。一方で、移転や再工事が必要になれば費用が重なることもあります。将来の質屋を想定するなら、第一段階の物件選びから、その使い方を考えておくことが大切です。
この順番が全員に適しているわけではありません。初めから質取引を中心にしたい、基準に合う設備を準備できるなどの事情があれば、同時開業や質屋からの開業も比較します。利益や開業時期を保証する方法ではなく、投資と手続きを分けるための選択肢です。
4 質屋の開業相談は、物件と工事を決める前に
福岡県警の案内では、質屋・古物商とも、営業所所在地を管轄する警察署の防犯係が相談窓口です。申請書や添付資料を作る前に、営業する人、場所、扱う品物、予定する営業方法を説明できるようにします。
相談時には、候補物件の図面、営業計画、予定する設備、開業したい時期を用意します。契約や工事の前に、基準や必要な手続きを確かめると、計画を調整しやすくなります。確認が済む前に、許可を前提にした開業日だけを決めないようにしましょう。
古物商をすでに営んでいる場合は、許可証と現在の営業内容も確認します。営業所の新設や移転、役員・管理者の変更などを予定するなら、変更手続きと新しい質屋の申請を分けて整理します。
既存の店を引き継ぐ計画なら、新規開業とは確認事項が変わります。質屋の事業譲渡と株式譲渡では、許可と質草・契約の引継ぎを説明しています。
まとめ
- 質屋の貸付けと、古物商の買取販売は、営業と許可を分けて確認します。
- 質物保管設備は、物件の契約や工事を決める前に相談します。
- 古物商から段階を分ける方法も、事業計画に合わせて比較します。
分からないことがあれば、聞いてくださいね
国際行政書士斉藤事務所
行政書士 斉藤 実
物件を契約する前に、営業する人・場所・扱う品物を教えてください。図面や計画を基に、設備と許可で先に確かめることを整理します。
お電話:092-600-2748(出られない場合は折り返します)
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質屋営業や古物商の許可のご相談をLINEで受け付けています。相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。「ブログの記事を見た」と送っていただければ、状況を確認してご案内します。
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LINE ID:025ajsop
電話に出るのも、折り返すのも、この記事を書いた本人です。現場で電話が難しい方は、メッセージだけ送っておいてください。
確認日:2026年10月18日。制度の説明は、次の公的資料を参照して確認しました。
福岡県以外の方は、管轄の都道府県の手引きで確認が必要です。
主な確認資料
個別の事情やその後の改正により、必要な手続き・書類が変わる場合があります。