国際行政書士斉藤事務所
2025/02/21

「家族滞在」者が高校を卒業して就労できる在留資格への変更について

外国人が日本に在留する場合に、その配偶者や子がいるときは、「家族滞在」の在留資格をもって、その配偶者や子も日本に同時に入国したり、本人の入国後呼び寄せたりすることができます。

「家族滞在」の在留資格は、一定の在留資格をもって日本に在留する外国人の扶養家族を受け入れるために設けられたものです。
資格外活動許可を得ない限り、就労活動を行うことができない在留資格です。

子の年齢が上がるにつれ、就労可能な在留資格である「定住者」や「特定活動」に変更する必要があります。
成年に達しつつある年齢である場合には「家族滞在」の許可の可能性が低くなってくることや、本体者である配偶者や親が帰国することとなった場合に「家族滞在」に係る在留資格該当性が失われてしまうことが考えられるからです。

1 「家族滞在」の在留資格をもって在留し、本邦で高等学校卒業後に本邦で就労する場合の「定住者」(告示外定住)への在留資格変更

<要件>
次のいずれにも該当する方が対象となります。

① 我が国の義務教育を修了していること(※1)
② 我が国の高等学校を卒業していること又は卒業見込みであること(※2)
③ 入国後、引き続き「家族滞在」の在留資格をもって日本に在留していること(※3)
④ 入国時に18歳未満であること
⑤ 就労先が決定(内定を含む。)していること(※4)
⑥ 住居地の届出等、公的義務を履行していること
 
(※1) 小学校(学校教育法第1条に規定する小学校をいい、義務教育学校の前期課程及び特別支援学校の小学部を含む。)及び中学校(学校教育法第1条に規定する中学校(夜間中学を含む。)をいい、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程及び特別支援学校の中学部を含む。)を卒業していることが必要です。

(※2) 高等学校(学校教育法第1条に規定する高等学校(定時制課程及び通信制課程を含む。)をいい、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部を含む。)のほか、高等専門学校及び専修学校(学校教育法第125条に規定する高等課程であって、大学入学資格がその修了者に認められる課程として文部科学大臣により指定されているものに限る。)も対象となります。

(※3) 「家族滞在」以外の在留資格で在留している方でも、「家族滞在」の在留資格該当性がある方(「留学」等)は、本取扱いの対象となります。

(※4) 資格外活動許可の範囲(1週につき28時間)を超えて就労する場合に対象となります。

<提出資料(変更許可申請)>
 在留資格変更許可申請時
(1)在留資格変更許可申請書(T(「日本人の配偶者等」・「永住者の配偶者等」・「定住者」)

(2)写真(縦4cm×横3cm)  1葉

(3)履歴書(我が国において義務教育を修了した経歴について記載のあるもの)
   →上記①、②の要件のため

(4)我が国の小学校及び中学校を卒業していることを証明する書類(卒業証書の写し又は卒業証明書)
→上記①の要件のため

(5)我が国の高等学校を卒業していること又は卒業が見込まれることを証明する書類(卒業証書の写しまたは卒業証明書)
 ※ 高等学校在学中に申請する場合は、在留資格変更許可時(在留カード受領時)に提出してください。
   →上記②の要件のため

(6)我が国の企業等に雇用されること(内定を含む。)を証明する書類(雇用契約書、労働条件通知書、内定通知書等。内定通知書に雇用期間、雇用形態及び給与の記載がない場合は、これらが分かる求人票等の資料を併せて提出)
   →上記⑤の要件のため

(7)身元保証書
   →滞在費及び帰国旅費の負担並びに法令の遵守を保証するため、日本との関わりを確認するため。

(8)住民票(世帯全員の記載のあるもの) 1通
   →申請人の居住実態及び扶養実態、扶養者の存在の確認のため

(9)パスポート  提示
   →申請人が現に外国籍であることの確認、その国籍の属する国の特定、その国が把握している申請人の身分事項の確認、それらに基づく許可証印及び在留カードの交付のため(本人確認のため)

(10)在留カード  提示
   →同上

(11)身分を証する文書等  提示

※ 申請人本人以外の方が申請を提出する場合において、申請を提出できる方かどうかを確認させていただくために必要となるものです。また、申請人以外の方が申請書類を提出する場合であっても、上記(9)及び(10)の「申請人のパスポート及び在留カードの提示」が必要です。

2 「家族滞在」の在留資格をもって在留し、本邦で高等学校卒業後に本邦で就労する場合の「特定活動」(告示外特定活動)への在留資格変更

<要件>
次のいずれにも該当する方が対象となります。(入管の資料1ページ目参照)

① 我が国の高等学校を卒業していること又は卒業見込みであること(※1)
② 扶養者が身元保証人として在留していること
③ 入国後、引き続き「家族滞在」の在留資格をもって日本に在留していること(※2)
④ 入国時に18歳未満であること
⑤ 就労先が決定(内定を含む。)していること(※3)
⑥ 住居地の届出等、公的義務を履行していること

(※1) 高等学校(学校教育法第1条に規定する高等学校(定時制課程及び通信制課程を含む。)をいい、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部を含む。)のほか、高等専門学校及び専修学校(学校教育法第125条に規定する高等課程であって、大学入学資格がその修了者に認められる課程として文部科学大臣により指定されているものに限る。)も対象となります。
高等学校に編入している場合は、卒業に加えて、日本語能力試験N2程度の日本語能力を有していることが必要です。

(※2) 「家族滞在」以外の在留資格で在留している方でも、「家族滞在」の在留資格該当性がある方(「留学」等)は、本取扱いの対象となります。

(※3) 資格外活動許可の範囲(1週につき28時間)を超えて就労する場合に対象となります。

<提出資料(変更許可申請)>
 在留資格変更許可申請時
(1)在留資格変更許可申請書(U(その他))

(2)写真(縦4cm×横3cm)  1葉

(3)履歴書(我が国の高等学校への入学日の記載のあるもの)
   →上記①の要件のため

(4)我が国の高等学校の在学証明書(入学日の記載のあるもの)
 ※ 高等学校に編入した方については、以下のいずれかを証明する資料もあわせて提出願います。
   ・ 日本語能力試験N2以上
   ・ BJTビジネス日本語能力テスト400点以上
   →同上

(5)我が国の高等学校を卒業していること又は卒業が見込まれることを証明する書類(卒業証書の写し又は卒業証明書)
 ※  高等学校在学中に申請する場合は、在留資格変更許可時(在留カード受領時)に提出してください。
   →同上

(6)我が国の企業等に雇用されること(内定を含む。)を証明する書類(雇用契約書、労働条件通知書、内定通知書等。内定通知書に雇用期間、雇用形態及び給与の記載がない場合は、これらが分かる求人票等の資料を併せて提出)
   →上記⑤の要件のため

(7)扶養者を保証人とする身元保証書
   →上記②の要件のため

(8)住民票(世帯全員の記載のあるもの) 1通
   →申請人の居住実態及び扶養実態、扶養者の存在の確認のため

(9)パスポート  提示
   →申請人が現に外国籍であることの確認、その国籍の属する国の特定、その国が把握している申請人の身分事項の確認、それらに基づく許可証印及び在留カードの交付のため(本人確認のため)

(10)在留カード  提示
   →同上

(11)身分を証する文書等  提示
※ 申請人本人以外の方(申請が提出できる方については、こちらのページを参照して下さい。)が申請を提出する場合において、申請を提出できる方かどうかを確認させていただくために必要となるものです。また、申請人以外の方が申請書類を提出する場合であっても、上記(9)及び(10)の「申請人のパスポート及び在留カードの提示」が必要です。

なお、父母に同伴して「家族滞在」をもって17歳までに入国し、高等学校を卒業後に大学や専門学校に進学する場合も、当該大学等を卒業して本邦で資格外活動許可の範囲(1週につき28時間)を超えて就労することを希望するときは、「定住者」又は「特定活動」への在留資格変更が認められます。
すなわち、上記1️⃣の要件を満たす者が、大学や専門学校に進学し、卒業して就職するに際し、在留資格を「家族滞在」や「留学」から「定住者」(告示外定住)に変更すること及び上記2⃣の要件を満たす者が、大学や専門学校に進学し、卒業して就職するに際し、在留資格を「家族滞在」や「留学」から「特定活動」(告示外特定活動)に変更することも認められます。

3 上記2の「特定活動」に変更した後の「定住者」への在留資格変更

<要件>
① 本邦の高等学校卒業以上の学歴を有すること
② 就労を目的とする「特定活動」又は就労資格(「技能実習」を除く。)により5年以上在留していること
※本邦の大学又は専門学校で教育を受けた期間(専ら日本語教育を受ける場合を除く。)の算入も認める。
③ 申請人自身に独立生計維持能力が認められること
④ 申請人が入管法上の届出義務、公的義務を履行していること

<まとめ>
(入管の資料2ページ目参照)
例えば…
・小卒+中卒+高卒
・高卒+特定活動5年
・高卒+専門学校2年+特定活動3年
・高卒+大学4年+技人国1年